目次
業種・業界を問わず、「来客対応」はビジネスにおいて基本中の基本です。このマナーをわきまえていなければクレームにつながり、業績にも悪影響をおよぼしかねないほど重要な要素です。
今回は、不動産賃貸仲介の営業における来客対応のポイントと、基本的なマナーについてお伝えします。
賃貸仲介会社の店舗に来店する顧客のほとんどは、衣服や雑貨を見てまわるウィンドウショッピングとは異なり、実際に物件へ入居を希望する目的があります。
ていねいな対応をすれば契約にいたる可能性が高い一方、適切な対応ができなければ、あっさりと競合他社へ行かれてしまう可能性があります。
そういった意味では、賃貸仲介会社の店舗における来客対応は、ほかの業界・業種と比較してもいっそう重要といえるでしょう。
どのような対応が適切といえるかについては、難しく考えすぎる必要はありません。まずは、ごく基本的なルールを守ることが大切です。具体的には次のようなポイントが挙げられます。
あわせて読みたい
デキる営業がもつ6つのスキルとは?スキルアップにつながるポイントも紹介不動産賃貸仲介会社の店舗には飛び込みの来店もありますが、事前に電話やメールで予約をして来店する顧客は少なくありません。その場合は、予約を受けた時点から来客対応は始まっていると考えなければいけません。
電話の場合は、明るくはきはきとていねいに話すこと、メールの場合はできるだけ迅速に返信することが重要です。
また、詳しくは来店後に話を進めればよいので、電話でもメールでも、相手の貴重な時間を割いてまで長話をする必要はありません。来客日時や来店時に持参してほしいものといった必要事項を、的確に伝えましょう。
あわせて読みたい
電話応対の正しい言葉遣いとは?不動産営業マンが注意すべきポイントも紹介店頭・店舗内の整理整頓は、顧客を迎え入れる最低限のマナーです。
など、一つひとつチェックして清掃を徹底します。
また、カウンター越しのデスクにも案外目がいくものです。社員一人ひとりのデスクは、各自がしっかり整理整頓する習慣をつけましょう。
担当社員の言葉づかいや態度が悪ければ、物件のよしあしにかかわらず、そこで契約したいという気持ちにはなりません。来客対応におけるマナーの基本中の基本である、「笑顔」「あいさつ」「身だしなみ」について次の点に注意しましょう。
大げさな笑顔ではなく自然な笑顔を心がけましょう。なかには笑顔づくりが苦手という人もいるかもしれませんが、口角を上げることを意識するだけでも柔らかい印象になります。
あいさつはコミュニケーションのはじまりです。これひとつで相手への印象が決まってしまうことも多いため、相手の目を見て心を込めたあいさつを心がけましょう。
また、状況に応じて、軽い会釈(上体を15度傾ける)、敬礼(30度)、最敬礼(45度)といった、適切なお辞儀を添えることも大切です。
身だしなみは、相手に不快感を与えないためのマナーです。自身の個性をアピールすることを楽しむおしゃれとは異なる点に注意しましょう。
髪形は整っているか、ビジネスにふさわしい装いか、女性はメイクが濃すぎないかなど、「TPOに合っているかどうか」が重要です。
ノルマをこなしたいからと、顧客へ契約を急(せ)かすような言動は厳禁です。顧客によりそい、現在の状況や何を求められているのかなどを把握することを最優先します。
社員側の都合で進めるのではなく、顧客の意見や要望を聞くことが重要です。そういった誠実な態度こそ結果的に契約につながります。
来客対応時の基本マナーを、「迎え入れ」「お茶出し」「お見送り」に分けて紹介します。一般的な流れを想定しての基本マナーですので、そのままでは当てはまらないケースもあるでしょう。実際の状況にふさわしいマナーを心がけることが大切です。
顧客が入店してきたら、作業の手を止めて相手のほうを向いて、「いらっしゃいませ」と気持ちの良い迎え入れのあいさつをします。
店内の物件案内情報を見ているようなら、しばらく自由に閲覧してもらい、タイミングを見はからって「どのような物件をお探しですか?」と声をかけましょう。
もし、「少し見ているだけです」といった返答だった場合は、「ごゆっくりご覧ください。気になる物件がございましたらお声かけくださいませ」と、相手が自身のペースで見続けやすい雰囲気をつくります。
「ワンルームを探しているのですが」「○○駅あたりのマンションを探しています」などと希望の物件について話をしてきたら、カウンター席やテーブル席に案内して、希望に合った物件を紹介します。
なお、テーブル席の場合は、上席に案内しなければいけません。上席は基本的に入り口から遠い席になります。
名前を聞き、「○○様でいらっしゃいますね。お待ちしておりました」と歓迎のあいさつをして、担当者に取り次ぎます。
顧客に店内でくつろいでいただくために、お茶を提供する場合もあるでしょう。お茶出しは、次のような手順で行います。
接客まで少し待たせてしまう場合は、相手が席に座ったタイミングでお茶出しします。すぐに接客に入る場合は、担当者のあいさつが終わったタイミングを見はからって提供します。その際お茶は、必ず顧客へ先に出します。
茶碗と茶たくはお盆に別々に置き、こぼしたときのために布巾も一緒にのせていきます。
顧客のところまできたら、カウンターやテーブルの下座にお盆を置き、茶たくに茶碗をのせて、「失礼いたします」とひと声かけて出します。茶碗に絵柄がある場合は、絵柄が正面にくるように置きましょう。
面談が終わってお見送りする際は、担当者は椅子から立ちあがり、笑顔で会釈をしながら「ありがとうございました」とお見送りのあいさつをします。
より丁寧に対応する場合には、出入り口まで、あるいは店舗の外まで、エレベーターの前までなど、状況に合わせてお見送りする場所を判断します。
担当者以外の社員は基本的に座ったままでもかまいませんが、できるだけ作業の手を止めて顧客のほうを向き、「ありがとうございました」と自然な笑顔でお見送りするとよいでしょう。
社員に気持ちの良い来客対応をしてもらうには、会社側の働きかけも大切です。ポイントを3つ紹介します。
来客された顧客へどういった対応をするかのルールを決め、「予約のある顧客の迎え方」「顧客をお通しする席への誘導の仕方」「自己紹介時の名刺の渡し方」「お茶を出すタイミング」などシーンごとにマニュアルを作成します。
来客対応の属人化を避け、だれが対応しても同じ質の高い対応が可能になります。「前の人はあんなにていねいだったのに」「前の人はこんなことは教えてくれなかった」といった、不満や不信感も生まれにくくなるでしょう。
来客対応マニュアルを作成して社員に渡すだけでは、結局マナーが身につかない社員も出てきてしまう可能性があります。社員を集めて勉強会を開く、作成したマニュアルに沿って実践練習をしてみるなど、教育する場を設けることが大切です。
賃貸住宅の契約は、1回の来店で決まらないケースも多く見られます。ひとりの顧客につき1回目の来客対応がうまくいけばいいかというと、そうではありません。
1回目に良い対応ができたら、2回目は良いイメージを持った状態で顧客は来店します。そこで2回目の対応が良くできなければ、顧客の満足度や信頼度は一気に低下してしまいます。
これを防ぐためにも、2回目以降の来店の際、だれが担当しても前回の状況を把握した状態で接客をスタートできるように、社員間で情報共有を徹底しておくことが大切です。
来客対応の基本的なマナーが頭に入っていても、人手が足りなくては十分な対応はできません。また、社員がほかの業務で疲れていては、自然な笑顔も明るいあいさつも難しいでしょう。
そういった課題を解決して気持ちの良い来客対応を社員にしてもらうには、自動化できる業務は自動化してしまうことが有効です。
例えば、適切な接客ツールを導入して、反響対応から追客まで一連の定型的な接客対応を任せるのです。
ツールを活用して業務を効率化すれば、社員には顧客一人ひとりに対して、よりきめ細やかなフォローをする余裕が生まれます。自然に気持ちの良い来客対応ができるようになるでしょう。
賃貸仲介会社の業務の自動化を実現する接客ツールとして、例えば「反響管理FA」があります。来客対応に課題を感じているのであれば、お気軽にお問い合わせください。
あわせて読みたい
【必見】不動産テックの特徴と成功させるためのポイントとは?不動産・賃貸仲介会社の店舗に足を運ぶ顧客は、興味半分で物件を見に入るというのではなく、実際に賃貸物件を探しているケースがほとんどです。
すでに興味関心を持って来店している見込み客をのがさず成約に結びつけるためにも、来客対応の基本的なマナーを全員しっかりと身につけておきましょう。
ただし、どれだけていねいな対応をしようと全員が心がけても、限られた人数では限界があります。紹介したような接客ツールを上手に活用することにより、きめ細やかな対応が可能です。ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あわせて読みたい
「反響営業」とは?仕事内容や求められる人のタイプなどを紹介!無料で不動産会社の集客ができる!
ふどサーチは、物件からお店を探すのではなく、「ユーザー評価やクチコミ」から自分に合うお店を探す、新しい不動産屋さん検索サービスです。
初期費用&月額0円
無料登録だけしてみるサービスに関する最新情報やお役立ち情報をいち早くお知らせいたします。