業務効率改善や顧客満足度向上などを図る際、無料の顧客管理システムの利用を検討する方も少なくありません。
しかし、「何が改善できるのか」「導入することで得られる効果はあるのか」など、いくつか疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、おすすめの顧客管理(CRM)システムを5種類ご紹介します。
また、各システムの概要や機能、メリットなども詳しく解説していきますので、導入を考えている方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
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顧客管理(CRM)システムとは?選ぶポイントや機能性を徹底解説!目次
まずは無料で使えるおすすめの顧客管理システムから見ていきましょう。
幅広い機能と使いやすさが魅力の「Hub spot CRM」について解説します。
Hub spot CRMには、主に以下のジャンル別の機能が搭載されています。
項目 | 内容 |
---|---|
機能概要 | 取引情報やコンタクト情報、顧客情報など顧客管理に必要な機能が搭載されている |
無料期間 | 制限なし |
導入事例・活用例 | 不動産投資事業の見込み顧客情報を管理 |
プラン | 無料版 0円/月 Starter 5,400円/月(税抜) Professional 96,000円/月(税抜) Enterprise 384,000円/月(税抜) |
顧客管理はもちろん、関連する機能が豊富な「Ambassador Relations Tool」について解説します。
Ambassador Relations Toolは顧客管理だけでなく、顧客アプローチや分析も可能なツールです。
項目 | 内容 |
---|---|
機能概要 | 顧客は無料プランでも最大10,000人まで管理でき、顧客管理に必要な情報を一元管理可能 |
無料期間 | 制限なし(6ヶ月ごとの更新) |
導入事例・活用例 | 物件探しを行う見込み顧客へのアプローチ |
プラン | クラウドプラン 29,480円/月(税込) クラウドBプラン 110,000円/月(税込) サーバー設置プラン 個別見積もり |
※Ambassador Relations Tool公式サイト
使い勝手の良さが魅力の「Fullfree」について解説します。
Fullfreeの特徴は、無料で自社独自のCRMシステムを構築できる他、データベース共有や運用時のフォローなどもできることです。
項目 | 内容 |
---|---|
機能概要 | 機能カスタマイズやクラウド共有なども無料で行え、機能の改善やバックアップなども可能 |
無料期間 | 制限なし |
導入事例・活用例 | 既存システムや機器との連携で、顧客対応・フォローの強化を図る |
プラン | 無料版 0円/月 Fullfree PRO 8,800円/月(税込) |
無料プランだけでなく、リーズナブルな価格の有料プランも用意されている「Zoho CRM」について解説します。
Zoho CRMでは幅広い機能が提供されている他、カスタマイズもできるので自社に合わせたシステムを構築できます。
項目 | 内容 |
---|---|
機能概要 | 顧客管理やM・A、分析レポート、AIなど多種多様な機能が搭載されている 料金別に使える機能が異なるため、予算や事業規模などに合わせて機能を利用できる |
無料期間 | お試し版は15日間(有料プランも利用可) 無料プランは制限なし |
導入事例・活用例 | 営業プロセスを可視化し、追客漏れや追客対応を一目で確認する |
プラン |
無料版 0円/月 スタンダード 1,440円/月(税抜) プロフェッショナル 2,400円/月(税抜) エンタープライズ 4,200円/月(税抜) アルティメット 5,400円/月(税抜) |
問合せフォームを手軽に作成できる「formrun」について解説します。
formrunはフォーム作成用のツールなので、顧客管理とは毛色が異なります。しかし、業務効率や顧客満足度向上に繋がる機能は搭載されているので、気になる方は主な機能やメリットなどをチェックしてみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
機能概要 | 専門知識なしで、問合せやアンケート、キャンペーン応募などのフォームを作成できる |
無料期間 | お試し版は14日間(有料プランも利用可) 無料プランは制限なし |
導入事例・活用例 | 新規サイト開設のお問合せ窓口での活用 自動返信機能+資料ダウンロードボタンの設置で見込み顧客を逃がさない |
プラン |
無料版 0円/月 スタンダード 1,440円/月(税抜) プロフェッショナル 2,400円/月(税抜) エンタープライズ 4,200円/月(税抜) アルティメット 5,400円/月(税抜) |
顧客管理システム(CRM)とは、顧客との関係性を管理し、今後の良好な関係を構築・維持するためのシステムです。
CRMの活用により、顧客情報の集約・管理と分析が可能になり、各顧客に合わせて適切なアプローチができます。
なお、メイン機能は顧客情報の管理ですが、製品によってメール配信や問合せ管理など複数の機能も搭載されています。
CRMとSFAの違いは、管理情報の利用目的とアウトプット先です。
CRM | SFA | |
---|---|---|
管理情報の利用目的 | 顧客との関係性を良好にするため、幅広い部署で情報を管理し事業戦略を立てていく | 詳細な顧客情報を管理することで、営業活動の効率化を目指す |
アウトプット先 | 複数の部署をまたいで顧客情報を集約・管理する | 営業部をメインに顧客情報を集約・管理する |
どちらも顧客管理という面では同じ機能をもっていますが、情報の扱い方が違うため目的・アウトプット先が異なります。
ここからは、顧客管理システム(CRM)を導入するメリットについて解説していきます。
CRMは顧客情報を一元管理し共有できるため、属人化されていた情報の損失というリスクがなくなります。
たとえば、大家さんの名刺や顧客情報などを営業担当者が個別に管理していた場合、病欠や急な退職があると情報が引き継げません。
しかしCRMで一元管理されていれば、管理された情報をもとに別の社員がフォローできます。
CRMは詳細な顧客情報(氏名や年齢、性別、出身地など)を管理できるため、指定の条件に合わせて情報を検索できます。
特定の層に向けてアプローチ(キャンペーンやメールマガジンなど)を行う際、ターゲットとなるユーザーの情報を手軽に引き出せるため、顧客情報一覧から手探りで情報を探す必要がなく、業務効率化に期待できます。
CRMでは蓄積されたデータをもとに、顧客情報の分析ができます。
成約率の高い層や季節別に成約率が高くなる層などを分析することで、より効率的なユーザーへのアプローチが可能です。
無駄なアプローチが削減されると、業務負担軽減や人的コストのカットなども見込めます。
CRMは、顧客管理以外にもメールやキャンペーン情報などの一斉送信機能も搭載されています。
潜在顧客・見込み顧客・既存顧客など顧客情報を属性別に分けておけば、各属性に合わせて適切なメール配信が可能です。
また、CRMであればメーラーを開く、顧客情報を整理する、アドレスを確認するなどの手間が省けるため業務効率化も見込めます。
CRMは問合せ状況を一元管理できるため、対応の遅れ・漏れ防止に効果が期待できます。
問合せの進捗や対応状況などを従業員全員が確認できるので、未回答の問合せがあればすぐに対応可能です。
また、問合せ対応にはテンプレートを設定することもでき、文面を考える手間がかかりません。
ユーザーを待たせる時間が短くなる他、顧客対応の業務負担軽減にも効果を発揮します。
一元管理された情報は社内・部署内で共同編集できるため、情報を常に最新の状態に保ちやすくなります。
たとえば情報を個別に管理している場合、社員の欠勤などで古い情報が残り続けるかもしれません。
しかし、CRMによる一元管理であれば全データを共同編集できるので、複数名で情報を更新できます。
情報の鮮度が保てれば対応の遅れや資料作成・商談などの不備も軽減され、迅速かつ正確な営業活動に繋がります。
ここからは、顧客管理システム(CRM)を選ぶポイントについて見ていきましょう。
システムを有効活用できるよう、各従業員が操作しやすいCRMを選ぶことが大切です。
機能が豊富なCRMを導入しても扱えなければ意味がなくなってしまうため、操作性が高く(データの入力や閲覧など)社内に浸透しやすいCRMを選びましょう。
必要な機能さえ搭載されていれば問題ないので、初めてCRMを導入する場合は機能・デザインともにシンプルなタイプを検討してみてください。
導入に不安な場合、無料トライアルなどで使いやすさを試すこともできます。
蓄積された情報が見やすいかどうかも、CRM選びには重要な要素です。
CRMでは膨大な情報を管理するため、閲覧性が高くなければ欲しい情報を引き出しにくくなります。
以下のような条件を参考に、「情報が見やすい」CRMを選びましょう。
CRM導入による十分な費用対効果を得るには、業務効率化が目指せるかどうかも検討しなければなりません。
以下のポイントを押さえて、業務効率化を図れるか確認しましょう。
導入目的に合わないCRMを導入すると機能を有効活用できない可能性があり、業務の効率化が図れません。情報の分析やメールの自動配信など、目的に合った機能が搭載されているか事前に確認しましょう。
さらに、ベンダーのサポート内容が充実していれば導入後のトラブルもスムーズに解決できるため、業務に支障をきたしにくくなります。
質問できる窓口がある、質問のレスポンスが早いなど、サポート内容も業務効率化には重要なポイントです。
また、チャットツールや表計算ソフトなどと連携できれば業務効率がさらにアップします。
スマホやタブレットなど、デバイスを選ばずアクセスできるCRMであれば使い勝手が良くなります。
営業職の場合、外出先で顧客情報を閲覧できれば、わざわざ帰社して情報確認する必要がありません。商談後の顧客情報入力についても、移動中に行えるため効率的です。
導入前に、社内で使用しているデバイスに対応したCRMかを確認して使い勝手の良さも追及しましょう。
すでに使っているツールと連携できるCRMであれば、従来の業務を妨げずに導入できます。
既存ツールとの連携が取れない場合、別のツールを使用する、業務の流れを変えるなどの対応が必要ですが、既存ツールに対応したCRMであれば上記のような対応が必要ありません。
従業員へ負担をかけることなく、スムーズに導入できます。
顧客情報を扱うCRMでは、セキュリティ面が万全かどうかを十分にチェックしなければなりません。
CRMは顧客情報を一元管理しているため、ハッキングやウイルスなどの攻撃を受けた場合、大事な個人情報が流出する可能性があります。
会社の信用問題へ発展しないよう、データの暗号化やユーザー認証などセキュリティに問題がないかどうかチェックしましょう。
導入前にチェックすべきポイントを確認したあとは、実際に導入への手続きを進めていきましょう。
自社に最適な顧客管理システムを選定・導入するまでの流れについて解説していきます。
まずは社内の課題を整理して、CRMに解決してほしいポイントをリストアップします。
課題を整理しないまま導入してしまった場合、どれだけ優れたCRMを導入しても効果を発揮できません。使い慣れないシステムに従業員が困惑し、余計なコストだけがかかってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、解決すべき課題を洗い出し、必要な機能を備えたCRMを導入することが大切です。
課題と同じく重要なのが、導入の目的を明確化することです。
目的が明確になっていないと「なぜCRMを使っているのか」「他のツール・システムでも代用できるのでは?」といった疑問が浮かび、従業員が運用しなくなるおそれがあるので、それぞれの疑問に対する回答となるような目的を設けておきましょう。
以下は、CRM導入の目的の例です。
無料版のCRMを導入する際は事前に利用人数を定め、必要な機能もまとめておきましょう。
無料版の場合、利用人数に制限が設けられていることも少なくありません。部署内で利用する人を決め、CRMの運用計画を立てることが大切です。
また、無料版であっても充実した機能がそろっています。
一見すると便利に使えそうですが、不要な機能がいくつも搭載されていると、必要な機能を探し出すのに手間がかかります。
デバイスへの負担も大きくなるので、目的や課題などに合わせて必要な機能は絞っておきましょう。
目的や機能などが定まったあとは、実際に導入するCRMシステムの選定を始めていきます。注意しなければならないのが、無料版の利用制限についてです。
前述したように、無料版には利用に際していくつか制限が設けられています。
具体的には、登録できる顧客情報の数や、システムの利用人数などの上限です。このような制限にも留意して、目的や課題、必要な機能などにマッチしたシステムを選びましょう。
導入するシステムが決まれば、次は運用テストを行って期待通りの効果が得られるか、業務に支障はないか確認します。
運用テストは少人数・小規模でスタートさせ、トラブル発生時のリスクを抑えることが大切です。業務の流れを想定した使い方でシステムを運用し、以下のポイントを洗い出していきましょう。
上記3点を確認して、CRMシステム利用時のマニュアル作成を行います。
使うか使わないか明確にならない機能に関しては、ベンダーのサポートへ使い方を確認し、それらが本当に必要な機能なのかを確認しましょう。
運用テストで問題がなければ、正式にCRMシステムの導入を進めます。
導入時は運用テストで作成したマニュアルを全従業員に共有して、使い方を把握してもらいます。
また、正式に導入する際はシステム運用の担当者も設けておきましょう。トラブル発生時や使い方がわからないといった場合、担当者がいれば問題を解決しやすくなります。
CRMシステムの導入後は、PDCAサイクルを回して運用方法をブラッシュアップしていきましょう。
実際の運用が始まると、運用テストでは見えてこなかった問題が浮き彫りになるかもしれません。上記のプロセスを順に行い、自社にマッチした運用方法を模索することが重要です。
無料版の運用で問題がなかった際は、有料版のCRMシステムの導入も検討してみましょう。有料版は無料版のような制限がなく、より柔軟にシステムを活用できます。
「無料版ではデータが管理しきれなくなった」「より高い効果が得たい」といった場合は、有料版の機能をチェックしてみてください。
ただし、有料版の費用は決して安くはなく、数十万円単位の費用が毎月発生するシステムもあります。機能面や制限などをチェックし、費用対効果に見合った運用ができるかを確認してください。
CRM導入時は無料のシステムから運用を始めて、業務を効率化できるか判断しましょう。
スタート時から有料版を本格的に運用してしまうと、「想定した効果がない」「機能が使いにくい」といったトラブル発生のリスクがあります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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