不動産・賃貸仲介業にとって、お客様と初めての接点となる「反響」。問合せをいただいたお客様を、できるだけ多く商談につなげたいところです。
しかし、「反響がなかなか来店に結びつかない」「反響対応に手がまわらない」など、反響にまつわる悩みはたえません。
そこで今回は、不動産業界のなかでもとくに賃貸仲介における反響の悩みと、反響を増やす解決策をわかりやすく紹介します。
本稿が来店率や成約率アップの良い“きっかけ”になれば、幸いです。
目次
まずは、不動産・賃貸仲介における反響の代表的な悩みを、3つ紹介します。
ポータルサイトに物件情報を掲載しているにもかかわらず、反響がこないケースがあります。
「物件は同じなのに、競合他社にだけ問合せが寄せられる」という経験もあるかもしれません。
反響は売上へつなげる第一歩なので、早期に改善が必要です。反響がこない場合は、おもに「物件情報の書き方」と「チャネルの数」を改善してみましょう。
物件の問合せをはじめ、反響はあるものの、なぜか来店につながらないケースもあるでしょう。
当社が独自に行ったアンケート調査(※)でも、反響対応に関する課題の第1位は「反響数は多いが、来店率は低い」でした。来店が少ない場合は、おもに「反響対応の早さ」や「返信の手段・内容」を改善しましょう。
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とくに賃貸仲介業界では1店舗あたりの従業員数が年々減少しており、人手不足を感じる企業も多いのではないでしょうか。
人手が足りないと、反響対応に手がまわらなくなる可能性があります。そのような場合は、「反響対応の自動化・効率化」を検討しましょう。
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上述した第1の悩み「そもそも反響がこない」の解決策を3つ紹介します。
いまや反響の大多数が、ポータルサイトから寄せられていると考えられます。
まずはお客様との最大の接点となる、ポータルサイトの情報を改善しましょう。注力すべきポイントは、「物件写真」「物件情報」「会社情報」の3つです。
できるだけ多くの物件写真や内観写真の画像を掲載しましょう。
「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の結果(※)によると、利用者が不動産会社を選ぶ基準として、「写真の点数が多い」が73.8%で第1位でした。
同調査では必要な写真の種類についてもランキングを紹介しており、「トイレ」「キッチン」「バス」といった水まわりの写真がトップ3という結果でした。
利用者の多くは、問合せ前にまず目で見て、住まいの快適さを確かめたいと考えています。そのため、視覚的な判断材料となる写真を多く掲載することが効果的なのです。
物件情報には、利用者の心に響くような情報ができるだけ多く詰め込まれているのが理想です。
例えば、「最寄り駅」はひとつだけ書くのではなく、できるだけ多くの路線を記入すると利便性が伝わります。
また、コンビニエンスストアや病院までの距離といった「近隣の便利さ」や、周辺の静かさといった定性的な「地域情報」も良い判断材料になります。
利用者が問合せするかどうかの判断をするとき、その店舗に親近感がもてるかどうかが重要な決め手になります。
そのためにも、掲載する会社情報をできるだけ充実させるのが得策です。
例えば、「フレンドリーな雰囲気の写真」や「清潔感のある店内の写真」、「身近に感じてもらえるような営業スタッフのプロフィール」などを掲載すると良いです。
店舗の雰囲気が伝われば、利用者も安心して来店しやすくなります。
ポータルサイトでは、競合他社も同じ物件情報を掲載していることが多いです。
そのため、反響をできるだけ多く獲得するには、自社独自のチャネル(顧客との接点)をより多くもっておくことが大切です。その代表例が、自社のホームページです。
つくり込み次第では、ホームページも反響を得るための魅力的なチャネルになります。
自社のホームページを改善する際は、ぜひ「コンテンツ」「スマホ最適化」の2点を意識してみてください。
多くの人にホームページへ訪問してもらうためには、自然検索からの流入を増やす必要があります。
つまり、「○○駅 二人暮らし可」のように利用者がキーワード検索したときに、自社のホームページが上位に表示されるようにするのです。
そのためには、利用者の検索キーワードに該当するような記事を、ホームページ内につくっておく必要があります。
効果的なのは、物件や地域に関する情報を、ホームページ内のブログやコラムに掲載することです。
利用者の検索ニーズに応えられる記事がたくさんあれば、それだけホームページへの流入も増えます。
一朝一夕で訪問者が増えるわけではありませんが、継続することで反響数アップが期待できる取り組みです。
先に紹介した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の結果(※)によれば、いまや91.2%の利用者がスマートフォンで不動産情報を探しています(2019年)。
だからこそ、自社のホームページもスマートフォンで見やすい構成にすると効果的です。
例えば、スマートフォンで検索されたときに自動で切り替わる「スマートフォン専用ページ」をつくったり、スマートフォンでも見やすい文章の段落分けにしたりという工夫があります。
現在の自社ホームページが古い仕様になっている場合は、ぜひ「スマホ最適化」を意識して改善しましょう。
顧客との接点を増やす方法として代表的なのが、「SNSマーケティング」です。
具体的には、TwitterやFacebookなどのSNSで自社アカウントを開設して、物件や地域に関する情報を発信します。
SNSでふだんから定期的に情報を発信しておくと、ユーザーに「地域に詳しそうな会社」「信頼できそうな会社」というイメージを与えられる可能性があります。
そうすれば、ユーザーが部屋探しをすることになった際、選択肢の一社に選ばれるかもしれません。
なお、SNSを運用するときは、単なる店舗の宣伝にならないように気をつけることが大切です。地域の役立つ生活情報を届けながら、親近感を醸成することを意識してください。
ここからは、第2の悩み「反響はあるものの、来店につながらない」の解決策を5つ紹介します。
反響が来店につながらない原因として、対応の遅れがあげられます。
利用者の多くはほかの不動産会社にも同時に問合せをしており、対応の遅れによって競合他社で成約が決まってしまう可能性があるからです。
大切なのは、できるだけ早く反響に返信し、“どこよりも先”に利用者と接点をもつことだといえます。
これは企業側だけではなく、利用者側のメリットにもなります。
「不動産情報サイト利用者意識アンケート(※)」によると、「不動産の接客で満足だったこと」として「問合せに対するレスポンスが早かった」と回答した人は64.5%にものぼりました。
迅速な反響対応は、顧客満足度の向上につながる施策でもあるのです。
レスポンスを早くする方法としては、「具体的なルール」を決めることがあげられます。
例えば、「朝受けた反響には午前中に返信する」「反響には1時間以内に返信する」などです。ルールを決めることで、反響対応の遅れや属人化を防げます。
多忙のため返信が難しい場合は、反響対応の自動化も検討しましょう(後述)。
反響への返信は、一度だけでなく何度かするようにしましょう。
時間がたつとメールは埋もれてしまい、利用者に気づかれないこともあるからです。そのため、「返信がない場合はその日のうちにもう2回送る」「翌日にも再度確認メールを送る」と、返信の頻度を上げることが大切です。
また、利用者が多忙のためメールボックスを確認していないケースもありうるので、SMS(ショートメッセージ)で連絡を入れるのも効果的でしょう。
ただし、頻度があまりに多すぎるとクレームにつながりかねないので、常識の範囲内でルールを決めて運用するようにしましょう。
店舗からのメールに対して返信がない場合は、メールの内容に問題があるかもしれません。例えば、メールタイトルです。
あいまいな件名だと先方に見すごされる可能性があるため、できるだけ用件が伝わりやすい件名が好ましいでしょう。
例えば、「お問合せいただいた物件『○○アパート』についてです」「○月○日のご来店に関するご確認」など、端的でわかりやすい件名が有効です。
また、機械的に送ったと感じられるような文面は、利用者の来店意欲を損ねる可能性があります。
営業担当の簡単なプロフィールを添える、「ロフト付きのお部屋、便利ですよね」と共感を示すなど、できるだけ人の温かみが感じられるような文面にすると効果的です。
一般的に反響対応にはメールを使うかもしれません。
しかし、最近はスマートフォンで部屋探しする利用者も多く、「あまりメールは見ない」という人もいます。そこで、利用者とのやりとりにLINEをはじめ、チャットツールを使うのも有効です。
LINEであれば、利用者に手軽に情報を見てもらいやすく、未読・既読で相手に情報が届いたかどうかもわかります。利用者に気軽に返信してもらえるため、来店促進にもつなげやすいでしょう。
2020年以降、新型コロナウイルスの流行によって、外出を避ける人が増えました。
部屋探しをしている利用者のなかにも、外出して店舗まで出向くことを避けたいと感じる人がいるのも実情です。そこで、物件提案から内見、契約・重要事項説明までを、すべてオンラインで完結させられるしくみを導入するのも有効でしょう。
例えば、接客はWeb会議ツールを使って行います。内見では営業スタッフが代わりに部屋を訪れ、内観・外観をリアルタイムに配信します。
最近では、重要事項説明もWeb会議ツールで行う「IT重説」が可能になりました。このようにオンラインで部屋探しができれば、たとえ来店が難しい利用者に対しても、反響から成約までつなげることができます。
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反響対応は、スピードが肝心です。しかし、接客や内見などのコア業務で忙しく、すぐには問合せに返信できないこともあるでしょう。
人手が足りなくて迅速な返信が難しい場合は、「反響対応の自動化ツール」を導入することもひとつの手です。ツールがシナリオ別に自動で反響対応のメールを送信するため、利用者を待たせることもありません。
また、ツールによっては、手動でメールを作成する際の文面づくりを提供会社が支援するサービスもあります。反響からの来店率を上げるためには、ITツールを積極的に活用することも大切です。
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来店率の向上を目指している場合は、ぜひ反響対応の自動化も含めて、対応策を検討してみてはいかがでしょうか。
当社では反響対応を効率化し、来店率や商談数を向上させるITツール「反響管理FA」を提供しています。
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