営業活動にはさまざまな種類がありますが、その中でも苦手な人が多い営業方法に電話営業が挙げられます。顧客の顔が見えない電話営業は、対面での営業活動とは異なる点に気を配らなければいけません。
「営業電話が苦手…」という人も、営業電話の基本マナーやコツを覚えるだけで質の高い営業活動が叶います。今回は、電話営業のコツや具体的な手順について解説していきますので、電話営業の成功率を高めたい営業マンはぜひチェックしてみてください。
目次
電話営業は、声だけですべての情報を伝え「もっと知りたい!」と思わせる必要があります。いつも通りの話し方では、顧客の興味を引くことができません。電話営業の成功には、営業電話用の話し方を覚える必要があるので、まずは営業電話の基本である話し方に関する3つのポイントをご紹介します。
上記3つは、相手に「もっと話を聞きたい!」と思わせるために欠かせない方法です。ここからは、それぞれの内容について解説していきます。
まず気をつけるべきポイントは、電話口で話すスピードです。特に営業トークでは、つい早口になってしまうという営業マンも多いのではないでしょうか。
電話では営業マンの表情や口元が見えないため、いつも通り話しても話が伝わらない可能性が高いです。また、早口すぎると相手に威圧感を与えてしまう可能性もあり、人によっては委縮してしまうかもしれません。
いつもよりもペースを落として話すことで、情報をわかりやすく伝えることができます。主な目安は通常の0.5倍ほどのスピードです。「少し遅すぎるかな?」と思うかもしれませんが、電話での会話ではゆっくりと話すことを意識してみてください。
顔だけではなく、声にも表情があります。顔が見えない電話でも相手には表情が伝わり、声の出し方によって人の印象は大きく異なります。好印象を与えるためには、明るくハキハキした喋り方が重要です。
電話では声がすべてのため、ボソボソと暗い声で話すと「機嫌が悪いのかな?」と思われてしまいます。また電話の場合、人の声は少し低く聞こえてしまうため、普段より高い声を意識することも大切です。ワントーン高めの声を出すだけで、営業マンの印象は大きく変わります。
ハキハキした声で喋るためには、口を大きく開けましょう。口を閉じたまま話すと滑舌も悪くなり、相手にうまく説明ができません。口角を上げて話すことで、声の印象も明るくなります。
法人営業・個人営業問わず、話す内容をコンパクトにまとめることが重要です。顧客は決して暇ではなく、忙しい時間を割いて電話の内容を聞いてくれているので、端的にわかりやすく話すことが求められます。
たとえばアポ取りの場合、一番の目的は商品やサービスの紹介をするためのアポイントを取ることです。しかし、商品・サービスに関係のない話や本来の目的であるアポイントの話がなかなか出てこないと、多くの顧客が時間の無駄だと思ってしまいます。話が冗長になると、相手が話に集中できなくなる他、場合によっては切られてしまうかもしれません。
重要なポイントをできるだけ短く伝えることで、相手の心をつかむ説明が叶います。アポ取りの場合は対面営業の際に詳細を伝えることができるので、その種を撒くようなイメージで話を伝えましょう。
質の高い営業電話を行うには入念な下準備が欠かせません。ここからは、営業電話で特に重要な下準備に関する3つのコツを紹介していきます。
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
電話営業の成功率を高めるには、ターゲットと目的を明確にすることが重要です。売り出したい商品やサービスにまったく関係のない見込み客に営業活動をしても、アポ獲得の確率は低くなります。まずは、自社の商品・サービスはどんな層に需要があるのか、どんな層の見込み客がほしいのかを洗い出しましょう。
そこで有効なのが、営業リストを作成することです。以下のような情報をリストにまとめておくことで、スピーディーな営業活動が叶います。
電話営業を行う前に営業リストを作成しておくことで、作業の効率化が叶います。また、自動的に営業リストを作成してくれるサービスもあるので、コストとのバランスを考えたうえで上手に活用しましょう。
トークスクリプトとは、営業トークの内容が書かれた台本のことを指します。電話営業に慣れていれば何も見ずにスラスラと話せますが、最初のうちはトークスクリプトを見ながら営業電話を行うのが基本です。
トークスクリプトは、話す内容を箇条書きにするのではなく、会話の流れを再現して作るのがコツです。棒読みにならないよう、自分の言葉に変換しながらトークスクリプトを作りましょう。
また、トークスクリプトは定期的な見直しが求められます。電話営業を繰り返すうちに、アポイントに繋がる言い回しや好感触のフレーズなどが徐々にわかってきます。そのような言葉を加えてアップデートし、より精度の高いトークスクリプトを作ってみてください。
営業トークは、顧客との会話に応じてさまざまな会話パターンが生まれます。どんなシチュエーションでも流暢な受け答えができるよう、さまざまな状況を想定してトークスクリプトを作成するのが重要です。
特に重要なのが、アウト返しのトークを考えておくことです。アウト返しとは、相手の反論に切り返すトークを意味します。
たとえばテレアポの途中に「興味ありません」と断られた場合、そのようなシチュエーションで「1分だけお時間をください」と切り返しても、相手の興味がない状態のためあまり効果的ではありません。しかし、「それは○○が理由だからでしょうか」と切り返せば、そこから顧客の本音を探れるかもしれません。
有効なアウト返しをするには、相手の反論を受け止め本音を導き出すのがポイントです。そのようなアウト返しの方法をいくつか考えておくことで、効果の高い電話営業が叶います。
電話営業の実践である営業トークでは、以下の5つのポイントに気を配りましょう。
どれも大事な要素なので、少しずつ覚えていくようにしましょう。
まずはシンプルに用件を伝えましょう。用件を伝えないまま本題に入ると相手が混乱し、不誠実な印象を持ってしまうかもしれません。また、何の話をしているのかが伝わらないため、そのまま切られてしまうおそれがあります。
「~~の件で電話をしております」といったように、まずは具体的な用件を伝えましょう。また、「株式会社△△の■■と申します」など会社名と自身の名前も話すようにしてください。
営業電話では、商品・サービスの説明をはじめ、さまざまな用件を伝える必要があります。しかし、営業マンばかりが話すのはNGです。電話営業は相手の顔が見えないため、営業トークに興味を持ってもらっているのか、内容が伝わっているのか、不快な思いをしていないかなどが判断できないからです。
営業電話では、トークの間にこまめにヒアリングを重ねましょう。1つ説明が終わるたびに相手の理解度や気持ちを確認することで、より質の高い営業電話が叶います。
ただし、質問が多すぎても尋問のようになるためおすすめできません。用件を伝えたらヒアリングするという会話のキャッチボールをしながら、顧客が何に興味を持っているかを引き出しましょう。
営業電話では、顧客が抱えている課題を伝えるケースが多くあります。そのようなシチュエーションでは、ロジカルに話すことが重要です。根拠がないまま顧客の課題を伝えても、信憑性がないため信頼してもらえない可能性があります。
ロジカルな説明とは、相手が納得できるよう話の筋道を組み立てて話すことです。以下の流れで説明すると、ロジカルな説明が叶います。
感情に任せたまま主張を伝えるよりも、根拠を伴った説明をすることでより説得力が生まれます。具体的な数字や体験談などを織り交ぜながら、少しずつ相手の心をつかんでいきましょう。
キャッチボールの営業トークをしている途中、無意識に断られる要因を提示していることも珍しくありません。たとえば不動産営業の場合、以下のような言葉を使うのは要注意です。
「不動産に関してお困りごとはありませんか?」
「マンションの購入に興味はございませんか?」
これらのようなYES・NOで答えられる質問は、NOと言われる可能性があります。NOと答えられるとそこで会話が終わってしまい、そこで電話を切られてしまうおそれがあるので、断られやすい質問の提示は避けましょう。
営業電話は、一歩間違えると押し売りと思われることもあります。特に、相手が不快に感じているのにもかかわらずしつこい営業トークをすると、押し売りと判断される可能性が高いです。場合によってはクレームに繋がってしまうため、断られた相手に何度も営業活動をするのも避けましょう。
顧客に押し売りだと思われてしまうと、営業担当者だけでなく企業全体の印象も悪くなります。ヒアリングを繰り返し、会話のキャッチボールを続けながら相手の気持ちをその都度確認することが重要です。
また、セールス感の強い言葉を頻発するのもおすすめできません。「案内」や「販売」という言葉を「確認」「推薦」などの言葉に言い換えることで、押し売り感を減らすことができます。
電話営業が終わった後は、トークの振り返りをしてみましょう。自身のトーク内容をチェックすることで、次の電話営業に活かすことができます。
振り返り・反省のときは、上記3つの方法を試してみてください。
営業トーク中に断れた場合、どういった会話で断られたのかを記録しましょう。たとえば同じような流れで何度も断られている場合、そこに問題がある可能性があります。トークスクリプトを修正することで、断られる確率を減らせるかもしれません。
断られた部分・要素を記録することで、何が原因で断られたかを分析できます。断られるポイントがいつも異なる場合は、話し方や話の進め方に問題があるのかも知れません。
トライアンドエラーは、挑戦と失敗を重ね、目標に向かって前進していくことです。失敗を恐れて挑戦しなければ、自身の目的を果たすことができません。電話営業で断られると心が折れてしまうかもしれませんが、失敗の原因を把握して改善していくことで最終的なゴールに到達できます。
営業トークの内容を記録している場合は、何度も見直して何が問題だったかを分析しましょう。それ以外にも、トークスクリプトや営業リストを見直すことで、さらに質の高い営業電話が叶います。
営業電話の内容の記録には、ボイスレコーダーを活用するのがおすすめです。相手の発言だけでなく自分の会話内容も記録でき、声のトーンや話し方などもチェックできます。
声のみで行う営業電話には、気をつけるべきポイントやコツが多くあります。電話営業の基本として、以下のポイントを押さえましょう。
最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、自身のトーク内容を見直して、自身の目標達成・売上アップを目指しましょう。
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