営業活動において、ターゲットとする顧客をやみくもに探しても効果的な成果は望めません。効率的な営業活動を行うには、顧客情報が管理された営業リストを活用するのが重要です。
今回は、営業リストを使うメリットや作成における注意点、管理方法やおすすめの営業リストツールサービスについて解説していきますので、営業成績をアップさせたいと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
営業リストとは、営業活動のターゲット情報が記載されたリストです。営業リストには主に以下の内容が載っており、営業担当者はリストを頼りに営業活動を行います。
営業リストがないと、これらの情報を毎回ホームページから拾い集めなければなりません。そのような無駄を省くために、営業リストの作成・使用が推奨されています。
営業リストの作成によって、以下に挙げる4つのメリットを得ることができます。
テレアポや営業メールの配信を行えば多くの顧客にアプローチできます。1日の営業活動時間は限られているため、よりたくさんの顧客に連絡をするには1件にかける作業時間を短くして作業効率をアップさせる必要があります。
たとえばテレアポの場合、顧客情報をコーポレートサイトから探して電話をかける作業を1回ずつ繰り返すのは非効率です。営業リストを使って一覧化することで、電話でのアプローチがスピーディーに行えます。
特に競合他社が多い業界の場合、スピーディーな営業活動をしないと他社との競争に負けてしまうおそれがあります。迅速に行動して顧客を獲得できるよう、効率的な営業活動が重要なのです。
たとえば初回のテレアポで顧客が抱える悩みを聞けた場合、その情報を蓄積しておくことで次の営業活動に役立てることができます。たとえ断られたとしても、顧客にアプローチして得た情報は次回に活かすことができる貴重な財産です。
しかし、営業リストを作成していないと顧客データが収集・蓄積できず、せっかくの財産を活かしきれません。また営業リストを活用しない場合、情報収集に漏れやミスが生じるリスクもあります。
営業リストツールを使えば、手作業では網羅しきれなかった顧客データも情報収集することが可能です。
顧客・企業リスト情報を管理することで、新人の営業マンでも効率良く営業活動することが可能です。進捗確認も簡単に行えるため、営業活動を複数人で行う場合にも営業リストは便利です。
また、すでにアプローチ済みの営業先に印をつけておけば二度手間になる心配もありません。顧客の反応で印の色を変えておけば、2回目以降の営業活動にも役立ちます。
営業リストを活用することで、誰がどの営業先に訪問したかが一目でわかります。営業活動の進捗状況を社内全体で共有することができ、別の営業担当者が同じ営業先にアプローチするといった、無駄な重複も防ぐことが可能です。
もし営業活動がうまくいっていない場合は、社内全体で共有することによって上司や先輩からアドバイスが受けられる可能性もあります。部署全体の営業進捗を把握すれば、その月の売上予測も短時間で叶います。
多くのメリットがある営業リストですが、単に作成しても効果の高い営業活動は望めません。営業リストを作成する前に、2つのポイントを確認しておきましょう。
売上の増加や知名度アップなど、掲げる営業目標は企業や部署ごとに異なります。その目標を達成するために立てる営業戦略によって営業リストに掲載する内容が変わるため、質の良い営業リストを作るには営業戦略の立案から始めなければなりません。
営業戦略を立てたあとはリスト業者や情報取得ツールなどを決め、必要な情報を盛り込んでいきましょう。
営業リストを作るときは、営業ターゲットも事前に把握しておきましょう。ターゲットの性別や年齢層、家族構成や収入など細かく設定し、それに合致する顧客だけを抽出して記載してください。
また、ターゲットによって情報収集の仕方は異なります。たとえば高齢者の場合、テレビや新聞などから情報を得ていることが予想されます。一方若者なら、手軽に使えるSNSを活用して情報を集めるのが一般的です。
このように、ターゲットに合わせて情報収集の方法を変えていくことで、確度の高い営業リストの作成が叶います。
せっかく営業リストを作成するからには、できるだけ「質の高い」ものを作りたいと思うのが自然です。質の高い営業リストには、以下の4つの要素が含まれています。
どれだけ重要な情報が掲載されていても古い情報のままでは活用できません。顧客の情報は常に変化しており、営業リストは頻繁にアップデートすることが求められます。
古い営業リストのまま営業活動を行うと、担当者の名前を間違えるなど営業先に失礼な行動を取ってしまいかねません。無礼な言動を避けるためにも、営業リストには最新情報を記載しておきましょう。
新規の契約を獲得する際、取引先の事業内容や業界全体の動向などの情報は欠かせません。このとき代表的な企業情報だけでなく、現在の経営状況などリアルタイムでの情報を記載するのが重要です。
経営状況が悪い企業に営業活動しても、提案した商品・サービスの制約に結びつくのは難しいといえます。営業先が多い場合、経営状況まで記載があればそれが良い会社から順に営業活動できます。
効率の良い営業活動のためにも、営業リストにはできる限り具体的な企業情報を記載しましょう。
企業情報の重複は、作業効率を悪くする大きな要因のひとつです。何度も同じ企業に電話やメールで営業すると営業先からの印象も悪くなってしまい、今後の営業活動が難しくなります。
重複がないかを確認する作業にも時間と手間を要しますので、営業リストを作成する際には、データの精度に細心の注意を払うようにしましょう。
ターゲットにそぐわない顧客ばかりの営業リストでは、どれだけ優れたものであっても意味がありません。先述のとおり、効果の高い営業活動にはターゲット設定が必須で、それらを営業リストに盛り込むことで新規の契約獲得へと繋がります。
営業リストの管理方法には主に以下の2つがあります。
それぞれの管理方法の特徴について、詳しく見ていきましょう。
MicrosoftのツールであるExcelで、営業リストを作ることができます。Excelを使った営業リスト作成のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット | ・会社支給のパソコンは使える場合が多く、誰でも使える ・好きにカスタマイズできる |
|---|---|
| デメリット | ・同時入力ができない ・ファイルサイズが大きい ・ファイル破損の可能性がある ・顧客データを自力で集める必要がある |
営業リストを試してみたい人や、あまり費用をかけたくない人は、無料で使用できることが多いExcelでの営業リストがおすすめです。
Excelであれば画面上にある項目を自分で追加できるため、自社特有の情報など好きなようにカスタマイズできます。
ただし、ファイルとして保存されるExcelは同時入力ができません。複数人で営業リストを扱う場合、常に最新のリストにして共有しないと、古いバージョンの営業リストを複数人が所有してしまうことになりかねません。
また、顧客データが積み重なるとExcelは開くのも記入するのも動作が重くなってしまいます。場合によってはファイルが破損するおそれもあるので、長期間の使用にはあまりおすすめできません。
さまざまな企業が営業リスト専用のツールを提供しています。無料・有料の2種類があるので、まずは無料のもので試してみるのもひとつの手です。
| メリット | ・自動で顧客データを集めてくれる ・同時入力ができる ・紛失、破損の心配がない |
|---|---|
| デメリット | ・費用がかかる ・項目があらかじめ設定されている ・選ぶツールによって使い勝手が異なる |
営業リストツールを使うことで、自動での営業リストの作成が叶います。営業リストはクラウド上で管理されるため、同時入力や共有がしやすい他、紛失や破損の心配もありません。外出先でスマホからも確認できるのは嬉しいポイントです。
しかし、ほとんどの営業リストツールには費用がかかります。営業リストを自分で作る手間と必要な費用を考慮し、多くの営業リストツールから最適なものを選部必要があります。
ここからは、おすすめの営業リスト作成ツールを5つ紹介します。無料体験ができる営業リストツールもあるので、最初は複数試してみるのもおすすめです。
インターネット上に掲載されている1,000万を超える企業から、必要な企業情報だけを抽出できるツールです。キーワードを入れるだけで自動的にリストが出力されるため、初めての人にも扱いやすいといえます。
| 初期費用 | 不要 |
|---|---|
| 価格 | 月額11,000円〜（税込） |
| 無料お試し | あり |
| サポート | 電話/メール/訪問（エリアによる） |
| 特徴 | ・webに掲載されている企業情報を抽出 ・取得情報の出所が明確 ・リアルタイム収集可能 |
インターネットサイト上の情報から営業リストを作成するListaは、メールアドレスや電話番号など企業の基本情報を自動で収集できます。
出所元が明記されるため、安心して使用できるのも魅力のひとつです。またサポート体制も充実しており、エリアが合えば訪問でのサポートも受けることができます。
法人専用の営業リスト作成ツールです。100万件以上の企業が掲載されており、業種やエリアごとにリストを作成できます。
| 初期費用 | 不要 |
|---|---|
| 価格 | 月額6,417円〜（税込） ※12ヶ月契約の1ヶ月あたりの料金 ※カード決済は1ヶ月7,700円（税込） |
| 無料お試し | なし(検索体験であれば無料) |
| サポート | 問合せフォーム |
| 特徴 | ・データ重複なし ・最新の情報を取得可能 ・1ヶ月から契約可能 （銀行振込での支払いの場合は6ヶ月から） |
100万件以上の企業情報がリアルタイムで更新されているソーシャル企業情報は、データの重複のリスクもないため精度の高い営業リストを作ることができます。
アカウントを作成してからわずか3日で営業リストが完成するので、スピーディーな営業活動が叶います。また1ヶ月ごとに契約できるので、短期間だけ利用したいという方にもぴったりです。
世の中に出回っている求人情報を基に、人材業界専用の企業リストを作成できます。インターネット上の最新情報を収集するため、すぐに使えるリストが完成します。
| 初期費用 | 100,000円（税込） ※6ヶ月以上の契約で無料 |
|---|---|
| 価格 | 月額30,000円〜（税込） |
| 無料お試し | あり |
| サポート | 運用サポートあり |
| 特徴 | ・人材業界に特化したツール ・100以上の求人サイトを網羅 ・サイトリニューアルの無償サポート付き |
HRogリストは求人企業に特化したツールであり、求人内容や求人出稿状況もリスト化できるという特徴があります。
100以上の求人サイトから毎週データを収集しているため、いつでも最新の企業リストが得られるのが魅力のひとつです。また、新卒募集や医療専門など、さまざまな条件のリストも作成できます。
登録されている160万の企業の中から、対象の地域や業種、規模などさまざまな条件を指定して好みのリストが作れます。無料なので、何度でも条件を変えてやり直すことが可能です。
| 初期費用 | 無料 |
|---|---|
| 価格 | 無料 |
| 無料お試し | なし |
| サポート | 記載なし |
| 特徴 | ・無料、ログイン不要で使える ・最短5秒でリスト作成可能 |
初期費用も使用料もすべて無料で使えるFUMAは、独自の基準で選定した160万社の中から好きな条件で営業リストを作ることができます。
たとえば、「関西で数十人規模のソフトウェア開発業者」などの条件で絞った企業が最短5秒でリスト化されるため、すぐに営業リストを作りたい人におすすめです。
iタウンページやハローワークなど30以上のサイトから企業情報を収集できるツールです。登録企業は全国560万件以上に渡り、さまざまな企業情報を集めることができます。
| 初期費用 | 5,500円（税込） |
|---|---|
| 価格 | 月額6,578円〜（税込） ※他にもコースあり |
| 無料お試し | あり |
| サポート | 問合せフォーム |
| 特徴 | ・導入企業数60,000社以上 ・1件1円以下の低コスト ・直感操作で使いやすい |
月額6,578〜39,820円（税込）までさまざまなコースがあるので、企業の規模感やニーズに合わせてぴったりのコースを申し込むことができます。
インターネットサイトに掲載されているリアルタイムの情報を自動収集しつつ、管理センターが目視でチェックを行うため精度の高いデータが集められます。
さまざまなメリットがある営業リストは、効果の高い営業活動には欠かせないツールのひとつです。営業リストの作成時には正しい情報を集める必要があるので、事前にチェックしてから記載しましょう。
営業リストは、Excelや外部の営業リストツールを活用して作ることができます。営業リスト作成ツールは、費用や機能性がツールによってさまざまなので、企業の規模感や営業方針に合うツールを選ぶのがおすすめです。
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